アルムナイとは
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アルムナイとは
企業が取り組むメリットと運用のコツ

-About alumni-

アルムナイとは主に人事領域において使われる言葉で、「企業の現役世代の退職者」を指します。アルムナイを貴重な人材リソースと捉え、つながりを持ち続け価値に繋げようという動きが、大企業を中心に注目を浴びています。

| アルムナイとは

ここでは最初にアルムナイの定義や大企業から注目を集めている背景について簡単に解説していきます。

アルムナイの定義

アルムナイ(“alumni”)はラテン語から由来する言葉で「卒業生、OB、OG」を意味します。スペル的に単数形に見えますが実は”alumunus”の複数形であることはあまり知られていません。人事領域においては「卒業生」の意味から転じて「現役世代の退職者」として使われています。

アルムナイを貴重な人的資本と捉え、アルムナイネットワークを構築することによって新たな価値を創出しようという動きが大企業を中心に起こっているのです。以下でその背景を説明していきましょう。

アルムナイが採用現場で注目される背景

アルムナイが企業の採用現場で注目を集める背景として、①雇用の流動化に伴う優秀な退職者の増加 ②人材不足の慢性化に伴う中途採用競争の激化の2つが挙げられます。

①終身雇用の崩壊に伴う雇用の流動化

正社員の動向

アルムナイが注目を集める背景として最初に挙げられるのは、雇用の流動化に対応する必要性が出てきたというものです。皆さんもご存知の通り、近年は終身雇用制度の崩壊が進み、生涯1つの企業だけでキャリアを終えるケースは労働市場全体の3分の1程度になりました。正社員でも半数以上が転職を経験しているという統計データ(総務省統計局 労働力調査結果)もあります。

そのため、会社へのエンゲージメントが高い優秀な社員が新たな挑戦をするために退職するというケースが、多くの企業において増えています。こうした状況に対応すべく、大企業を中心とした企業では、退職者に対するイメージを「企業に合わなかった人」という過去のネガティブなものから、「企業の重要な人的資本」という未来志向のポジティブなイメージに捉え直す動きが見られるようになりました。

②人材不足の慢性化

それだけではありません。少子化に伴う労働人口の減少によって人材不足がさらに深刻化すれば、状況はさらに厳しくなるでしょう。内閣府が発表した「令和3年版高齢社会白書」によれば、合計特殊出生率の低迷に伴い15歳未満人口の割合が12.0%となっており、人材不足の進行には年々拍車がかかっています。

人材不足が慢性化する中、どの企業も中途採用でいかに優秀な人材を獲得するかが課題になっており、企業間の採用競争が年々激化しています。こうした状況に対応すべく、新たな人材資産となり得るアルムナイに注目が集まっているのです。

| アルムナイ施策の4つのメリット

ここからは本題であるアルムナイ施策に企業が取り組むメリットについて解説していきます。

即戦力の確保

アルムナイの再雇用

企業がアルムナイ施策に取り組むことで得られるメリットとして最初に挙げられるのは「再雇用・業務委託による即戦力の確保とそれに伴う採用・教育コストの削減」です。

アルムナイは自社のことをよく知る人材であるだけでなく、退職後に他社で新たな経験やスキルを培っている即戦力である可能性が高いです。アルムナイ施策を講じ常にアルムナイと繋がった状態が維持できていれば、そのような人材を採用する際に本来発生するであろう多額のエージェントフィーを削減することができます。

また、会社と退職者はお互いによく知る関係でもあるため、ミスマッチの可能性も低く、また中途採用社員に実施される研修なども必要なく教育コストも大幅に削減できます。このように、採用という観点から見ると、アルムナイ施策は他の採用方法よりも圧倒的に低コストで、優秀な即戦力を獲得できるメリットがあるのです。

離職率の改善

企業がアルムナイ施策に取り組むメリットとして次に挙げられるのは「離職率が改善される」というものです。離職率の改善方法の一つに退職理由の調査・分析があるのですが、従来の方法だと退職者面談やエグジットサーベイなどのアンケート調査でしか退職理由の調査ができませんでした。

退職者面談は厳粛な雰囲気で本音を話しづらい上に、エグジットサーベイはそもそも回答率が低いなどの構造的な問題点を抱えており、離職率改善にいたるほどの成果はなかなか得られません。

そのような問題の解決方法としてもアルムナイ施策は注目されています。企業がアルムナイ施策に取り組めば、退職後も良好な関係を保ったアルムナイと密なコミュニケーションを図ることが可能になり、「本音の退職理由」をはじめとした退職者の率直な意見を聞き出せるようになります。それによって、同様のケースの退職を事前に防止して離職率改善に繋がる対策を講じることができるようになるのです。

社員の人材開発

アルムナイ施策のメリット3つ目は、アルムナイとの交流によって現職社員の人材開発が促進されるというものです。同じ環境で仕事をしたアルムナイが社外で活躍している成功事例を現職社員が知ることで、自身が現在取り組んでいる仕事が会社の外でも十分通用することに確信を持ち、それが仕事に対するモチベーションやエンゲージメント向上に繋がります。

また、アルムナイが持ち込んだ社外視点に触れることで、現職社員の視座が一段と高まります。さらには、一度は社外に出たアルムナイとの交流を契機に、社員がキャリアを自律的に考えるようになることで、「能力向上」という最終的なゴールを実感が伴う形で意識できるようになります。

このように、現職社員とアルムナイの交流が生まれることによって、「現職への自信」「視座の高まり」「キャリア自律」が絡み合った人材開発が可能になるというメリットが生まれるのです。

採用ブランディングの強化

アルムナイ施策で採用ブランディング強化

企業がアルムナイ施策に取り組むメリットとして最後に挙げられるのは「採用ブランディングが強化される」というものです。積極的にアルムナイ施策を講じている企業は、就活生や転職活動者から「人材を大切に扱う良い企業」という印象を持たれ、採用ブランディングが高まります。

また近年、「将来転職をするかもしれない」という前提で就職先を決める就活生が多く、退職者が活躍している様子を可視化する企業に学生からの注目が集まっています。就活生の7割弱が「元従業員の退職後のキャリア」に関心があると回答している調査結果もあります。

このように、アルムナイの存在は、採用ブランディングの強化において非常に重要なポジションを担っていると言えるのです。

| アルムナイネットワークの構築

アルムナイ制度で退職者を再雇用する場合をはじめ、ビジネスに活用するにはまず「アルムナイネットワーク」の存在が欠かせません。ここでは、アルムナイネットワークを構築する主な方法とそのメリット・デメリットについてご紹介します。

SNSを活用する

アルムナイ施策にSNSを活用

FacebookやLinkedInなどのSNSを活用して、自然発生的にアルムナイ同士がつながるケースがあります。アカウントを持っていればお互いが気軽にフォローし合えるのが第一のメリットです。

ただし、こうしたネットワークは非公式なグループとして存在することが多いのが難点です。企業側がアルムナイの情報を網羅できるわけではなく、管理もしづらい点はデメリットだといえるでしょう。また、必ずしも活動が活発になるとは限らず、形だけのグループになりがちです。

企業から情報発信する

メルマガやニュースレターなど、企業側からアルムナイに対して情報発信をすることで、アルムナイと企業がつながりを保つことができます。メリットは、企業の最新の取り組みに関して確実に伝えられることです。その情報がアルムナイの興味関心のある事柄であれば、アルムナイの再雇用につながるケースもあるでしょう。

一方デメリットは、どうしても一方通行のコミュニケーションになってしまうことです。当然アルムナイ同士が情報交換をするようなパイプも作れないため、実際のところ「ネットワーク」とは言い難くなってしまいます。

自社の専用サイトを構築する

専用サイトを作成した上でアルムナイに声を掛け、アルムナイ同士のコミュニケーションや社内からの情報発信に活用するのも一手です。自社にとって使いやすいサイトを構築できれば、アルムナイ施策はぐっと促進されるでしょう。セキュリティ面も自社でコントロールできるのが利点です。

一方、ゼロベースでサイトを作り上げるのは手間もコストもかかります。人事担当者や社内SEがしっかりコミットできる状況でなければ、施策実行のハードルは高くなってしまうでしょう。

アルムナイ専門サービスを利用する

アルムナイ専門サービス

自社でサイトを構築するよりもハードルが低く、SNSのように手軽に使えるのが、アルムナイ専門サービス シェアNo.1であるオフィシャル・アルムナイ・ドットコムです。アルムナイは、SNSと同じようにアルムナイ同士あるいは企業とコミュニケーションを取ることができます。

一方で企業側はアルムナイの最新情報を名簿として管理でき、採用やビジネスに関する情報発信も容易です。もちろんツールの提供だけでなく、アルムナイネットワークの設計から導入、活性化、成果創出まで、豊富な知見を基に幅広い支援が可能なため、さまざまな業界の企業で導入が進んでいます。