住友商事株式会社
2024/11/14
2025/7/7
商社
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5,000名以上
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多様な商品・サービスの販売や輸出入、国内外における事業投資など、総合商社として多角的な事業を展開している住友商事株式会社様(以下、住友商事)。
創業100年を機に掲げたテーマ「新たな価値創造への飽くなき挑戦」の体現を目指し、「Official-Alumni.com」によるアルムナイネットワークを立ち上げられました。
「ジャパン・アルムナイ・アワード* 2021」では準グランプリも受賞した同社の、さまざまな取り組みやそこに込められた想い、つながりから生まれた変化などについてSC Alumni Network事務局の方々に伺いました。
─ はじめに、アルムナイネットワークを立ち上げた背景をお聞かせください。
当社は、2018年に発表した中期経営計画で「新たな価値創造への飽くなき挑戦」というテーマを掲げました。これは「開かれた環境でさまざまな人と意見交換をしてこそ、新たな価値は生まれる」ということを意味し、その“価値創造”における重要なパートナーとしてアルムナイにフォーカスしたことが、アルムナイネットワーク立ち上げの背景にあります。
また、大きな経営課題としてD&Iに取り組んできた流れもその後押しとなりました。
多様性がなければ新たな価値は生まれません。そこでぜひ多様なアルムナイの皆さんのお力を借りながら、D&Iの推進にも力をいれていこうと考えました。
─ 新テーマを掲げた翌年には「SC Alumni Network」を設立。このスピード感のなか、立ち上げまでに困難なことはありましたか?
立ち上げの背景にもあるように、当社のアルムナイネットワークは経営計画が礎となって始動した取り組み、つまりトップダウンによって始まったものなので、発足までの道のりは比較的スムーズだったと感じています。
「アルムナイの取り組みをやろう!」と、当時の副社長が私たち事務局メンバーのお尻を叩いてくれましたし、トップ自らの「アルムナイは“脱藩の侍”ではない」と発し、この取り組みをけん引してくれました。こうした経営陣の積極的な働きかけによって、社内全体にもメッセージが伝わっていきました。
─ 「SC Alumni Network」は、日々どのように運用をしていますか?
登録対象者はアルムナイ・現役社員とし、会社からアルムナイに向けさまざまな情報を発信するのはもちろん、アルムナイが近況報告をしたり、「アルムナイからの告知・相談ルーム」と題して、ご自身のビジネスのことや相談ごと、求人情報などを投稿したりしながら活用いただいています。
その他にも、年に一度の定期総会やアルムナイに現職のビジネスピッチをしてもらうピッチイベントなど、アルムナイと現役社員とがつながるためのさまざまな施策を、オンライン・オフライン問わず打ち出しています。
─ リアルの場で顔を合わせる機会もつくっているのですね。
はい。ネットワークの中での発信も大事ですが、住友商事としての“共通項”があるからこそ、リアルの場ではより深い話ができると考えています。食事を楽しみながら再会を喜んだり、初対面でも名刺交換したりする姿が見られていますし、なかにはピッチトークの登壇者に積極的に話を聞きに行く人も。やはりオフラインイベントはとてもオープンな雰囲気で、新たなつながりを作ろうとする方が多い印象です。
─ アルムナイと現役社員との交流・コラボレーションに、ますます期待が膨らむ光景ですね。
そうですね。だからこそ、私たちは社員とアルムナイ、双方向の交流の“仲介地点”になれればと。そのためにも「SC Alumni Network」の日々の運営だけにとどまらず、このコミュニティの概要や活動を紹介する社内イントラを立ち上げ、社員に向けてもプロモーションをしたり、当社が運営するオープンイノベーションの場「MIRAI LAB PALETTE」にアルムナイを招待したりしながら、つながりの機会をより広げていけるよう取り組んでいます。
─ こうしたさまざまな活動に、アルムナイや社員からはどのような声があがっていますか?
社内イントラでを見た社員が「アルムナイに相談をしてみたい」と話を持ち掛けてくれたり、オフラインイベントに参加した方からは、アルムナイ・社員ともに「協業につながりそうな話ができた」と報告をしてくれたりしました。
また、その“協業”においては実際に生まれていて、当社の掲げている「次世代成長戦略テーマ」のひとつであるヘルスケアの分野で、起業したアルムナイとの協業による、小児向け「VR弱視治療用アプリ」の共同開発が実現しました。
まさに私たちが目指している、さまざまな垣根を超えたつながりによる価値創造が、少しずつ形になっているように思います。
─ これまでのコミュニティ活動を経て、社内に見られた変化はありますか?
アルムナイ、いわゆる“退職者”に対するイメージが変わってきているように感じています。特に40~50代の社員においては、若い世代の退職に対し「これからなのになぜ辞めてしまうんだろう…」と理解できない部分も多かったように思うのですが、こうしてトップが先陣を切りながら活動していくことで、その見方が変化しているようにも。さらに、アルムナイが退職後に活躍している姿をコミュニティ内で見聞きすることで、その変化はより大きくなっていくのでは、とも思っています。
─ 最後に「SC Alumni Network」の今後の展望をお聞かせください。
「当社にいる・いないに関わらず、同じDNAを共有した者同士が経験や知恵を共有し、さらに刺激し合うことによって新たな価値を創造し、社会に貢献していく。そういう世界を我々は夢見ています」。
これはかつてのアルムナイ総会で、当社の執行役員が参加者のみなさんにお伝えした言葉です。
立ち上げから5年が経った現在、「SC Alumni Network」の登録者は600名超にもなりました。このネットワークを大いに活用し、これからもさまざまな施策を打ち出しながら、目指す世界の実現に向けて歩んでいきたいと思います。